この度、2022年度にむけて、ごかんの場をともに手作りしてくれる仲間を新たに募集します。ご興味を持っていただける方は以下の募集内容をご一読いただけたら幸いです。
〈僕たちは今どこにいるのか〉
ぼくたちごかんたいそうは今、10年目にして、本当に生まれかわりの節目を歩んでいます。昨年の秋に、僕はビジョンが湧いて、社内メンバーに伝えたことがありました。
「三年後ぐらいに、ごかんは”自立的で多様な森”に自然と変化しているというビジョンが湧いています。一方で、今のごかんは、”根を伸ばすにはもうプランターが小さくなって、根詰まりしている家庭菜園”にみえています。そして、根詰まりの原因になっているプランターってなんだろう?って考えていったら、実は僕自身(の過保護さ、甘え、恐れ)だと気づいた。だから、僕はもっと自分をひらいて、みんなを信じて託していきたい。」
2021年、実際、このビジョンがどんどん現実化しはじめてきて、ごかんのことを自分のくらしの場と感じてくれて、常にこの場で起こる様々な出来事に真摯に向き合ったり、明日もっとこの場が豊かになるにはどうすればいいかって悩み考えてくれる仲間の姿を日々強く感じるようになってきて、仲間が力強く自分たちの根っこをぐんと伸ばして、プランターとしての僕が吹き飛ばされたみたいな感覚です。メンバーによっては戸惑いや不安といったものを感じることもありますが、それは変化の節目で一時的に生じる成長痛みたいなもので、組織全体は一つの自立した生態系としてうまれかわって、あたらしいごかんとして歩みはじめています。
〈僕たちのビジョン〉
僕たちごかんには ”みんながじぶんのいろでえがくひとつのいろいろなせかい” というビジョンがあります。先ほどの”自立的で多様な森”という表現は、このビジョンを、職員メンバー・組織・事業の面でとらえて言葉を言い換えた感じです。メンバーそれぞれが自立的・主体的に自分の人生をつくっていきながら、それぞれの人生を尊重しあえていたり、結果として、多様性の彩りに溢れながらも、一人の人間同士として愛情深くつながって一つの森のようになっている、というイメージです。
そして、僕たちの組織は、企業、ビジネスの場というよりも、もはや一つの大きな家族のようになりつつあります。役職や肩書きで相手をみたり、要求しあうというような雰囲気が薄れていっているかわりに、人として助けあったり、想いあったり、大事と想うからこそ、時に心の奥にとどくような本質的な言葉のやりとりをしようとしたり。そういう場面が明らかに増えてきています。この場に存在しているのは、たべる、つくる、あそぶ、はたらく、まなぶといった区分のない、いきることそのものですし、社会的な役割や肩書きを超えた、この世界で唯一無二のただありのままの一人の個性が自分の人生を自分で主体的に歩みながら、調和しあって、ともにいきている共同体=家族。そういうことなんだろうと思います。
家庭であれば、時を重ねる中で、子どもが生まれたからみんなで家事を分担しながらお世話をしたり、家族がふえるのにあわせて家を増築したり、おかあさんが共働きしはじめたからみんなの家事の分担をかえたり、子どもが夢を実現したいってなったら家族みんなで心と行動で支えようとしたり、おじいちゃんが病気になったら手分けして看病をしたり。そんな一つ一つの変化を、家族全員が他人事でなく自分自身の人生の出来事として自然に受け止め、支えあいながら柔軟に変容していくと思いますが、僕たちの組織も、企業経営のセオリーや、社会通念、固定概念に囚われることなく、社内外の状況変化にあわせて、愛情を軸にしつつも大胆かつ柔軟に形をかえつづけるだろうと思います。逆に言うと、役職、肩書き、ルール、社会の固定概念(たとえば企業だからこうあるべき、とか、世間一般がそうだから、とか)といったことに将来にわたって心の安定を感じる方や、組織と自分を別人格と捉えて帰属する安心感を求めたい方には僕たちの場はあわないかもしれません。どんな出来事や変化も、自分の人生の出来事として受けとめ、主体的に表現、行動し、同時に、そんな人たち同士が家族のようになって支えあっていくような生き方をしたい方にとっては、仕事の場であっても、本当の自分を生きていると実感できる可能性をもった組織だと思います。
〈あたらしいごかんへの具体的な胎動〉
新しくうまれかわりはじめているごかんですが、経営のあり方についても、この秋からこれまで実質、僕一人が経営してきた体制から、ごかんのいえの園長である鴨野、ごかんのもりの園長である沖の二人が経営メンバーになり、共同体として経営していく形にシフトし始めました。組織開発等を専門領域として取り組まれている羽渕彰博さん(リボーン株式会社代表取締役)には、引き続き外部理事として経営サポートをしていただきます。
共同体として生まれ変わる中でまず取り組むこと。一つは、逗子の森の中にある保育園ごかんのいえ、ごかんのもりについて、ぼくたちの活動の根幹の母屋としてだけでなく、あたらしいごかんのビジョンを象徴するような場としてもじっくり育んでいきたいと考えています。
そして、新しい場づくりや活動をうみだしていくことも、これからチャレンジしていきたいと考えています。「子どもたちが自尊心を育む暮らしの場づくり」というただ一つのテーマを変わらず探究するべく、あえて保育という枠に囚われず、前例や常識という枠も取っ払って、実験的で本質的な未知の場づくりをまずは小さなところからでもうみだしていけたらと考えています。ちなみに、今、僕たちの中で生まれているアイデア・テーマをいくつか・・・大人向けのごかん(こどもたちと向き合う大人自身が自尊心や余白を育める場)、小学校/フリースクール、子どもと大人のアート表現の場(ごかんのアトリエ、こどもクリエイティブエージェンシー等をひろげる)etc。そして、こういう新しいたねを今までのように僕の妄想から生み出すだけでなく、今いるごかんの仲間や新しい仲間がアイデアを着想したり、熱量をもって立ち上げていくところを、僕や他のメンバーが呼応してサポートしたり、共創したりしながら、生み出していけたらいいなと考えています。
〈あたらしい仲間にむけたメッセージ〉
全田より:つい長々と書かせていただきましたが、今、この組織は”自立的で多様な森”にうまれかわり、変貌をとげていく濃密なワクワクドキドキの真っ最中を歩みはじめたところなのです。そんな節目にある、この組織の空気感を共に味わいながら、自分も当事者として場づくりに取り組みたい!と感じてもらえる仲間と出会えたら嬉しいです。ぜひピンと来たら、まずはご一報ください。あわせて、この人ピンとくるかもとイメージがわく方がいたらシェアしていただけたら幸いです。
鴨野より:小さなひとたち、その家族の皆さま、ご縁あって出逢えて人たちと、毎日の暮らしを積み重ねて手作りしていく楽しみを忘れてしまった保育士の皆さまへ。動きたいと思った時、そのタイミングが今であれば採用と肩肘張らず、ぜひごかんに足を運んでいただき、ごかんの場や過ごす時間の中で小さなひとたちが日々見せてくれているように素直に感じながら、まずは自分自身と向き合う機会として欲しいと感じています。学びに限りのない保育士としてのやりがい、育ちあいを共有できる方々との出逢いを楽しみにしています。
沖より:それぞれに人生がある中で、今ここ<ごかんたいそう>で共に暮らせる、新たな出逢いの可能性をありがたく感じています。一緒に四季を感じ、ご飯を食べ、こどもたちのことを語り合い、この場にいる人たちがよりのびのび伸びていけるような場作りを共にしてくださる方との出逢いを楽しみにしています。